社員に対する接し方  人事の心得

 
異国の地で孤軍奮闘するあなたへ 
 

台湾人材と共に拓く未来 

~台湾の先人が日本人経営者へ贈る20のストーリー〜

 

なぜ日本のやり方が通じないのか と独り夜のオフィスで焦るあなたへ。

ここは台湾です。

日本丸出しの思考を上から押し付けていませんか?

もし突然来た外国の上司に自国の文化を無視され「これが正しい」と言われたら、あなたはどう感じますか?

人には心があります。

正論ではなく、心に語りかけるのです。

台湾の歴史や誇りを尊重し、対等に向き合えば、必ず伝わります。

話せば、絶対にわかるのです。

焦らなくて大丈夫。

押し付けを捨て、彼らの心に歩み寄ることから始めませんか。

 

 1. 理由を語る言葉(Whyから始める)

 

「心が納得していない指示は、手足しか動かさない。心が納得した想いは、未来を動す。」 ―― 鄭崇華(Delta Electronics 創業者 / 台湾教育支援家)

新規事業の立ち上げ時、日本人の経営者が指示だけを伝えると、台湾人社員の動きはどこか鈍かった。

しかし「なぜこの事業が台湾の未来に必要なのか」という理由と背景(Why)を熱く語った瞬間、彼女の瞳に火が灯った。

台湾人材は「作業員」ではなく「共鳴者」になったとき、圧倒的なパフォーマンスを発揮する。

 

2. 「対等」という名の最高の敬意

 

「台湾の働く人々が求めているのは、上からの『指導』ではなく、横に立つ『パートナーシップ』である。」 ―― 呉思華(元台湾教育部部長・経営学者)

「上司と部下」という壁を壊し、一人の人間として対等に向き合うこと。

台湾では、立場や国籍を超えて「あなたを一人前のプロとして信頼している」という態度を示すことが、何よりのモチベーションになる。

経営者が腰を低くし、耳を傾ける姿勢こそが、彼らの忠誠心を引き出す。

 

 3. 「情」が紡ぐ強い組織

 

 「理屈(理)だけで動く組織は脆い。情(情)で結ばれた組織は、どんな嵐も乗り越える。」 ―― 楊国枢(台湾現代心理学の父)

台湾のビジネス文化の根底には「人情(レンチン)」がある。

業務連絡だけでなく、「体調はどう?」「家族は元気?」という小さな気遣い。

一見無駄に見えるその一言が、信頼の強固な土台となる。

心が通い合ったとき、彼らは会社のために「期待以上の力」を発揮してくれる。

 

 4. 面子(メンツ)を守り、自尊心を育む

 

「大勢の前で叱ることは、能力を奪うことと同じである。プライベートな場で正し、公の場で讃えよ。」 ―― 彭懷真(台湾社会学者)

ミスをした台湾人社員を朝礼で叱責してしまった日本の経営者。

翌日、彼女の笑顔は消えていた。

台湾において「面子(自尊心)」を傷つけられることは致命的だ。

指導は別室で静かに、成長はみんなの前で誇らしく褒める。

これが彼女たちの才能を開花させる鉄則である。

 

5. 「素直さ」という原石の磨き方

 

 「素直な若者は、教えたことを吸収するスポンジである。ただし、注ぐ水が綺麗でなければならない。」 ―― 嚴長壽(台湾ホスピタリティ教育の父)

大学を卒業したばかりの素直な台湾人社員。

彼女は知識がないのではない、まだ「日本のビジネスの空気」を知らないだけだ。

否定から入るのではなく、「君のその素直さが素晴らしい」と承認し、正しい手順(テンプレート)を渡す。

磨けば磨くほど輝く原石がそこにある。

 

 6. 「安全な失敗」がイノベーションを生む

 

 「チャレンジの失敗を恐れる組織に、明日はない。失敗を学びに変える環境こそが人を育てる。」 ―― 許士軍(台湾経営学の先駆者)

ミスをしたとき、責めるのは「人」ではなく「仕組み」だ。

「どうして失敗したの?」と詰問するのではなく、「どういうチェックリストを作れば次から防げるかな?」と一緒に考える。

責められない安心感(心理的安全的)があるからこそ、彼女たちは恐れずに新しい仕事へと挑戦できる。

 

7. 強みを称賛する魔法

 

「弱点を克服させる教育よりも、強みを圧倒的に伸ばす教育こそが、個人の自信を創り出す。」 ―― 黄光国(台湾本土心理学の大家)

資料整理やデータ管理が得意な彼女。

「君の整理整頓は天才的だね!チーム全員が助かっているよ」と称賛した。

自分の得意分野で必要とされていると実感したとき、人は自己肯定感を高め、苦手だった電話対応や営業業務にも前向きに立ち向かうようになる。

 

8. 「中間報告」という安心の架け橋

 

 「完璧な遅れより、未完成の速さを。進捗を分かち合うことが、遠隔地の信頼を繋ぐ。」 ―― 曾仕強(台湾組織行動学者)

日本企業と台湾人社員の間で最も起きやすいすれ違いが「報告のタイミング」だ。

「完璧に仕上げてから報告しよう」と抱え込む彼女に、「7割の出来でいいから『今〇〇の状況です』と教えてくれるのが一番嬉しいよ」と教える。

スピード感のある中間報告が、国境を越えた安心感を生む。

 

9. 曖昧さを排除する「可視化」の優しさ

 

 「言葉の綾に頼るな。具体性と透明性こそが、文化の壁を超える最高の言語である。」 ―― 葉丙成(台湾大学教授 / 教育革新家)

「空気を読んで察してほしい」は外国人社員には通じない。

「しっかりとやって」ではなく「1日〇回電話に出る」「15分以内に相談する」という客観的な行動基準(数値化)を示すこと。

明確な指標(マニュアル)があるからこそ、彼女たちは迷うことなく全力で走ることができる。

 

 10. 文化の「違い」を「価値」に変える

 

「他者を理解しようとする歩み寄りこそが、国際社会における真のリーダーシップである。」 ―― 龍應台(台湾作家・元文化部部長)

台湾文化を「日本の感覚と違う」と嘆くのではなく、「台湾の人はなぜこう考えるのだろう?」と知的好奇心を持つこと。

台湾人ならではの柔軟さ、温かみ、人脈を活かす視点を持ったとき、日台の強みが融合した最強のチームが誕生する。

 

 11. 「伴走者」として横に立つ

 

「指導者とは、前を走って引っ張る者ではない。並んで走り、励まし続ける者である。」 ―― 詹志禹(台湾教育心理学者)

評価表は「振り落とすための採点用紙」ではない。

「半年後に君が日本企業から引く手あまたのプロになるための地図」だ。

上司が「先生」ではなく「伴走者」として横に立ち、共に悩み、共に喜ぶ姿勢を示したとき、新人は心からの安心感を得る。

 

12. 成長の階段を「小さく」刻む

 

「見上げるほど高い山も、一歩ずつの階段に刻めば、誰もが山頂に立つことができる。」 ―― 柯華葳(台湾読書教育・発達心理学者)

最初から「一人前に契約を取ってこい」と無茶振りをしても挫折するだけだ。

「まずはメールの型を覚える」「次はシャドーイング」「その次はロープレ」と成長のステップを可視化してあげること。

小さな「できた!」の積み重ねが、大きな自信へと変わっていく。

 

13. 失敗を隠さない「オープンな風土」

 

「隠されたミスは毒となり、共有されたミスは組織の宝となる。」 ―― 洪蘭(台湾脳科学・心理学者)

「わからないと言ったら怒られるかも」という恐怖心を排除すること。

相談のルーティング(誰に何を聞くか)を明確にし、「判断に迷ったら15分以内にいつでも相談してね」と伝える。

SOSを出すことが褒められる環境を作ることこそが、大きな事故を未然に防ぐ。

 

 14. 心身の健康はすべての土台

 

「健全な精神は健全な身体に宿る。働く者の心と体の健康を守ることこそ、経営者の最初の責務である。」 ―― 孫運璿(台湾経済発展の父)

いくらスキルがあっても、心身が疲弊していては良いパフォーマンスは出ない。

「昨日はしっかり休めた?」「メンタルは大丈夫?」と日常的に気遣うこと。

社員の健康を第一に考える姿勢が、企業への深い愛情とエンゲージメント(愛着)を育む。

 

15. 「感謝」を言葉にして伝える文化

 

「心の中で思っているだけの感謝は、存在しないのと同じである。」 ―― 證嚴法師(台湾慈済基金会 創始者)

「やって当たり前」と思わず、どんな小さな業務(データの正確な入力、名刺の整理)に対しても「ありがとう、助かったよ」と声に出して伝えること。

感謝の言葉が飛び交う職場環境でこそ、人は気持ちよく働き、真の能力を発揮する。

 

 16. 「なぜ」を教える教育

 

「『何をすべきか』だけを教えられた者は作業員となり、『なぜすべきか』を教えられた者はリーダーとなる。」 ―― 郭台銘(Foxconn 創業者)

「このメールを送っておいて」と命令するのではなく、「日本企業はスピードを最重視するから、今このメールを送るとすごく感動してもらえるんだよ」と背景にある価値観を伝える。

目的を理解した社員は、自発的に考えて行動する「能動的な人材」へと進化する。

 

17. 機会を与える勇気

 

「若者に完璧を求めてはならない。必要なのは、挑戦させる機会とバックアップの安心感である。」 ―― 張忠謀(TSMC 創業者)

基礎を学んだら、少し背伸びが必要な現場に同席させ、徐々に任せていく。

「失敗しても後ろには僕(鈴木)がいるから大丈夫」という絶対的な安心感を与えることで、新人は恐怖を乗り越え、一気にプロへの階段を駆け上がる。

 

18. 「居場所」があるという安心感

 

 「人は、自分が大切にされていると感じる場所にしか、本気の情熱を傾けない。」 ―― 李家同(台湾教育者・作家)

単なる「労働力の提供者」として接するのではなく、「あなたがこの会社にいてくれて本当に良かった」「君の成長がチームの喜びだ」と存在価値を伝え続けること。

自分の居場所を確信した社員は、会社の未来を自分の未来として捉えるようになる。

 

 19. 国境を超える「志」の共有

 

「志を同じくする者は、言語や文化の違いを超えて、ひとつの家族になれる。」 ―― 蒋経国(台湾元総統 / 近代化の主導者)

人材紹介の仕事は、単なるマッチングではない。

「日台の架け橋となり、人と企業の未来を幸せにする感動的な仕事なんだ」という大きなビジョン(志)を語り続けること。

誇りを持てる仕事に従事しているという自負が、彼女の顔つきをプロの顔つきへと変えていく。

 

 20. 共に育ち、共に笑う未来(経営者への応援歌)

 

 「人を育てるとは、自らの心を育てることである。国境を越えた師弟の絆は、人生最大の財産となる。」 ―― 鈴木(貴社・Bz* 代表の精神)

台湾でビジネスに挑む日本人経営者の皆様へ。

国や言語が違っても、真心を込めて向き合えば、思いは必ず伝わります。

素直な台湾の社員に寄り添い、共に学び、共に成長していくプロセスそのものが、経営者としての人生を豊かなものにしてくれます。

不器用でもいい、完璧でなくてもいい。

「あなたを必ず一人前に育てる」という強い想いと温かい愛を持って接すれば、彼女たちは必ずや自慢の相棒となり、会社の未来を切り拓く最強のパートナーになってくれます。

 

挑戦し続けるすべての経営者に、心からのエールを送ります!

 
 

 鈴木の過去の発信

 
2016年3月19日
 
台湾での社員に関する接し方として重要な事は感謝の心を忘れない事です。
 
我々日本人では何もできません。
 
ここは外国です。
 
法律も文化も違います。
 
常に社員と接する、話しかける、気に掛ける、褒める。
 
怒るのではなく教える。
 
経営者として最低限の行いを毎日行いましょう。
 


2012年3月16日
 
社員に対する接し方に関し、お問い合わせを多くいただきます。
 
やはり、台湾の文化と、今までの歴史、情報の入り方とそれに対する考え方を理解する事が最初に必要になるかと思います。
 
ここは台湾だと言う事を意識し、日本人100%丸出しの日本的思考回路はなかなか通じ無いことをご理解ください。
 
ここは海外です。
 
押しつけの教育は、逆に反発を買う事も少なくありません。
 
ご自身の事をよく考えてみてください。
 
いきなり外国から来た上司が、その考えを上から押し付けたら、いったい自分はどのように思うのかを。
 
人には心が有ります。
 
心に語りかける事も必要です。
 
会社の方針。
 
会社の品質。
 
そして仕事に関するプライドの意識。
 
一つ一つの事が絡み合って、組織、人間関係が形成されます。
 
話せばわかる事です。
 
困った事が御座いましたらお知らせください。丸14年も住んでいますので大体の事は分かっているつもりです。(が、勉強中でもあります)
 
食事でも共にしながら気楽にお話しさせてください。
 
私的な事ですので顧問料はいりませんし、割り勘ですのでご心配なく。(笑)
 
皆様にはいつも大変お世話になっております。
 
今後ともよろしくお願い申し上げます。 
 
鈴木
 
お問い合わせ
 
ご環境によっては保護されていないと表示されますがしっかりとセキュリティーされています。