会社は残業代を正しく支払っても罰せられるのか?〜「お金で解決」は通用しない、2026年度の厳格な労働時間規制〜「残業代は1.34倍、1.67倍で計算して、すべて支払っている。 だからうちはホワイト企業だ」 そう自負している総経理の皆様。 実は、残業代を1円の漏れなく支払っていても、労働局から罰金(過料)を科され、当局のホームページに「ブラック企業」として実名が載るケースが後を絶ちません。 なぜ、正しくお金を払っている会社が罰せられるのか。2026年の最新の法執行基準を解説します。 |
お金を払っていても「アウト」になる3つのケース |
1. 労働時間の絶対上限(月46時間)の超過 |
台湾労働基準法では、1日の労働時間は12時間を超えてはならず、1ヶ月の残業時間は原則として46時間が上限です。
真実: 100時間の残業代を完璧に支払っていても、46時間を1分でも超えていれば「法違反」です。 労働局は「支払いの有無」ではなく「健康維持のための時間制限」をチェックします。
2. 勤務間休息11時間の不足 |
終業から翌日の始業までには、原則として連続11時間以上の休息を与えなければなりません。
真実: 夜遅くまで残業させ、翌朝早く出勤させた場合、たとえ本人が「大丈夫です」と言って残業代を受け取っていても、会社は処罰の対象となります。
3. 「一例一休」の例假日(定休日)労働 |
7日に1日の「例假日」には、天災などの緊急事態を除き、絶対に働かせてはいけません。
真実: 休日出勤手当を3倍払ったとしても、例假日に出勤させたという事実だけで、即座に罰金と実名公表の対象になります。
Bz*が提唱する「法適合型」の残業マネジメント |
私たちは、単に計算式を教えるだけではありません。貴社の名前をブラックリストから守るための「攻めの管理」を指導します。
デジタル勤怠による「46時間アラート」の構築: 上限に達する前に管理者に通知が行く仕組みと、それを実効化する「残業禁止命令」の出し方を指導します。
変形労働時間制の「適正な」導入: 労資会議の合意を前提に、月の上限を54時間まで(3ヶ月合計138時間以内)拡張する等の合法的な柔軟運用をサポートします。
労働局対策としての「証拠化」: 万が一上限を超えてしまった際の不可抗力(天災や緊急事態)の立証方法など、28年の実績に基づいた防衛策をアドバイスします。
提言 |
「社員が稼ぎたがっているから」「仕事が終わらないから」という理由は、労働検査官には一切通用しません。
今の台湾において、「長時間労働をさせて、高い残業代を払う」のは、経営者として最もリスクの高い選択です。
それは自ら「うちは違法状態です」という証拠(給与明細)を毎月発行しているのと同じだからです。
貴社の名誉が実名公表によって傷つく前に、まずは私たちのリスク診断を受けてください。効率的で、かつ法的に安全な「2026年基準」の組織作りをお手伝いします。
2026年台湾労働法改正の全容:最低賃金引上げと「柔軟な休暇制度」への対応実務
Q:会社は残業代を支払ったのに、なぜ罰せられるのですか。 |
A:
1.残業までの法的手続きに注意すること
労基法第32条の規定:雇用主が従業員を正常な勤務時間以外に勤務させる必要がある場合、労働組合の同意を経て、事業部門に労働組合がない場合は労資会議の同意を得た上で、勤務時間を延長できる。
つまり、会社が従業員に残業させる必要がある場合、必ずまず労資会議にかけ、従業員の同意を得るとともに労資会議記録に記録することが必要です。
労働検査があった場合、検査員は会社に対し規定に合致した労資会議ワークフローと記録の提示を求めるでしょう。
もし会社が一回の会議記録もなく提示できないと、手続上違法となり、労資会議記録がないことを理由に、少なくとも2万台湾元の罰金が科せられる恐れがあります。
2.まず休ませ、それから残業に移ること
仮に会社の正常な退勤時間が17時30分とし、業務の必要上、雇用主が従業員に残業を依頼する場合、残業時間は何時から計算するのですか。
多くの人は17時30分から計算すると思うでしょう。
早く片付けて早く帰ろう、そう思いませんか。
忘れてはならないのは、労基法第35条の規定、即ち労働者が連続4時間働いた場合、少なくとも30分の休憩が必要だということです。
もし従業員が13時30分から17時30分までずっと働いた場合、すでに連続4時間働いているので、続けて残業に入るのは労基法第35条の規定に違反します。
合法的なやり方:
1.まず従業員に30分の食事時間を与え、その後残業に入る。
2.労資会議を通じ従業員の同意を得た上で(仮に)15時~15時30分を休憩時間とし、退勤時間後続けて残業に入る。
こうすれば連続勤務が4時間を超えて違法だということはなくなります。
3.残業代の計算間違い
労基法の規定では、残業代の計算方法は平日の1時間当たりの給与の3分の1又は3分の2以上を加算する、とあります。
見たところ簡単ですが、多くの人が間違えています。
例えば、「平日の1時間当たりの給与」の計算方法ですが、月給制の従業員は給与総額を240時間で割ったもので計算します。
会社がもし基本給だけで計算していれば当然違法となります。
労基法で定義している「給与」は「労働者が労務を提供したことにより得た報酬」及び「制度上常に得られるもの」という2項目に合致していればそれに当てはまります。
よってよく見られる皆勤賞、役職手当、食事手当等も残業代の計算基準に加えなければなりません。
またある会社は「1.33」「1.66」で残業代を計算していますが、これも違法です。
法律規定では3分の1又は3分の2以上で計算することになっているので、直接「1.34」「1.67」で計算したほうが安全です。
4.時間を超えた残業はやはり違法である
労基法では残業時間の上限を規定しています。
従業員は毎日の正常な勤務は残業を含めて12時間を超えてはならず、毎月の残業時間数は46時間を上限としています。
5.法定休日は休日出勤できない
2017年より労基法が改定され、7日間ごとに2日の休日が必要で、1日は所定休日、もう1日は法定休日とし、うち法定休日は天災地変に限り従業員を出勤させることができ、もし天災等の特殊な状況がなければ、従業員が休日出勤に同意したとしても会社は違法となります。
では法定休日は何曜日にすべきか。
法律では明文規定はなく、ある雇用主は、今週はちょうど日曜日に人手が要るので、法定休日を土曜日に調整し、来週は再度日曜日を法定休日に戻してもよいとみなしていますが、これはだめなのでしょうか。
法定休日の間隔が6日を超えている(今週土曜日から来週日曜日まで)のでやはり違法です。
しかし、もし30-1又は84-1(労基法第30条の1、第80条の1)の勤務を適用していれば、労働組合又は労資会議が同意した上で、休みを調整できます。