台湾での「内定取り消し」は、「戦い」の始まり〜「入社前だから大丈夫」という思い込みが、 貴社の足元をすくう〜 |
「採用を決定したが、直後に致命的な問題が見つかった」
「経営環境が急変し、内定を出した人材を受け入れられなくなった」
日本人経営者の皆様、そこで安易に「内定取り消し(採用中止)」の連絡をメール一本で済ませようとしていませんか?
台湾の労働法規、そして2026年現在の労働局の運用において、それは「不当解雇」と同等の爆弾を抱える行為かもしれません。
【生存のための人事戦略カリキュラム:全16講座】
なぜ、内定取り消しが「致命傷」になるのか? |
【生存のための人事戦略カリキュラム:全16講座】
1. 契約成立のタイミングが「入社日」ではない |
台湾では、会社がオファーレター(内定通知書)を出し、本人がそれに承諾した時点で、法的には「雇用契約が成立した」とみなされるケースがほとんどです。
つまり、実際に1秒も働いていなくても、貴社と彼は「雇用主と労働者」の関係にあります。
2. 「期待権」への損害賠償リスク |
内定を得た労働者は、通常、前の会社を辞める準備をしています。
その段階で取り消しを行うと、相手の「無職期間の給与」や「精神的苦痛」に対して、数百万円単位の損害賠償を請求されるリスクがあります。
3. 2026年労働事件法下の「スピード訴訟」 |
現在の台湾では、労働者がスマホ一つで当局へ通報できる仕組みが整っています。
内定トラブルは「労働争議」として即座に受理され、経営者は多忙な時間を割いて調停の場へ引きずり出されることになります。
人材採用方法の基礎と自社を守るための法的防御
経営者が今すぐ講じるべき「防衛策」 |
採用の失敗を「致命傷」にしないために、以下の3点は必須です。
内定通知書の条件を厳格化する: 「提出書類に虚偽がある場合」 「犯罪歴が判明した場合」 など、取り消し可能な事由を明記した「守りのオファーレター」を運用してください。
「試用期間」を戦略的に活用する: 内定を取り消すのではなく、入社後の試用期間内での評価プロセスを厳格に運用することで、法的な出口を確保します。
「解決金」による合意解約: リスクが高いと判断した場合は、一方的な取り消しではなく、法的な「合意退職」のスキームを使い、後腐れのない円満解決を図るべきです。
人材採用方法の基礎と自社を守るための法的防御
代表 鈴木からの提言:採用の「入り口」こそが経営の「出口」を決める |
内定取り消しという事態が起きる背景には、必ず「採用の見極め不足」という経営課題が隠れています。
しかし、起きてしまったミスは、被害を最小限に抑えて素早く処理しなければなりません。
「この内定者、やっぱり怪しい……」
そう感じた瞬間が、リスク回避のラストチャンスです。
行政の介入や訴訟に発展し、貴社の名誉が傷つく前に、まずは私たちの知見をご活用ください。
「守りの採用実務」こそが、貴社の成長を支える土台となります。
[まずは無料相談:貴社のオファーレターを診断します]
労働者編:内定後に内定を取り消されたらどうすればいい? |
一、前書き
転職を考えて新しい会社に応募し、内定通知を受け取ったため、すぐに現在の会社に退職を申し出たところ、数日後に新しい会社から「諸事情により内定を取り消す」と言われた経験はありませんか?
あるいは、元々無職で、ようやく複数の会社から内定をもらい、一番気に入った会社に入社を決めて他の会社を断ったものの、結局その会社から内定を取り消されてしまい、他の会社もすでに別の人を採用していた…そんな状況に陥ったことはありませんか?
この記事では、こうした就職活動中によくある問題について、法律の観点からわかりやすく解説します。
二、内定後、労働契約は成立するのか?
原則として、労働契約は書面であっても口頭であっても成立します。
民法第153条第1項の規定により、明示か黙示かを問わず、当事者間で意思が一致すれば契約は成立します。
したがって、労働者が内定通知に返信して同意した場合や、雇用契約書に双方が署名した場合など、給与、業務内容、勤務時間などの重要な労働条件について合意があれば、労働契約は成立し効力を持ちます。
三、会社は内定後に内定を取り消せるのか?
労働者が内定通知に同意する前であれば、会社が内定を取り消すことは法的に可能です。
なぜなら、労働者が承諾するまでは労働契約が成立していないため、会社は内定通知という意思表示を撤回できるからです。
しかし、労働者が内定に同意した後での取り消しは、特別な合意(たとえば、条件付き内定や事後審査で資格に合わないことが判明した等)がある場合を除き、労働契約がすでに成立していると見なされ、会社が一方的に内定を取り消すことはできません。
四、内定後に退職したり他の会社を断ったり、引っ越したりした場合、会社に損害賠償を請求できるのか?
民法第227条の規定に基づき、労働者は会社に対して損害賠償を請求することが可能です。
ただし、その損害(例:退職による収入喪失、引越費用など)を証明する責任は労働者側にあります。
五、まとめ
在職中の労働者が転職を考える際は、可能であれば新しい雇用主との労働契約を正式に締結してから退職届を提出するのが最も安全です。
たとえ書面での契約がない場合でも、仕事の内容など重要な条件について合意したことを、文章や録音などの形で記録に残しておくことが重要です。
内定の取り消しは労働者にとって大きな精神的負担となることは間違いありませんが、事前にしっかり確認し、新しい雇用主との意思疎通を丁寧に行えば、こうした事態は未然に防げるはずです。