問題のある社員・従業員を解雇したい!「解雇は、組織を守るための『最終手段』であり、再出発への『決断』です」 〜台湾労働法を熟知した専門家チームが、貴社のリスクを最小化し、円満な解決へ導きます〜 |
「2026年現在」の調整点: 2020年に施行された「労働事件法」により、労働者側が裁判を起こしやすくなっています。
「なぜ、日系企業の解雇はトラブルになりやすいのか?」台湾の労働法は、日本以上に労働者保護の色彩が強く、安易な解雇は「不当解雇」として提訴されるリスクを常に孕んでいます。 一度裁判(労働事件法に基づく調停)になれば、多額の賠償金だけでなく、経営者の精神的消耗は計り知れません。 |
1 最悪のことを考えて企業側はことに当たる |
我々は企業様からあらゆる労働問題に関する質問を受けていますが、従業員解雇相談や、それに対する対処方法、問題が起きてしまってからの解決方法などはTOP3に入るテーマになっています。
最悪な事象。
つまり、解雇問題で労働局などが介入して事情説明などを求められたと仮定します。
企業側は解雇が正当で法令に基づき処理をしていることを証明しなければなりません。
企業側は、労働局に対し下記の証明を明示し、文章にて解雇申告をしなければなりません。
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・会社情報
・労働契約日
・職務
・労働場所
・労働法11条に基づく解雇理由
・退職金に対する説明
・解雇前の口頭書面での注意、指導、改善機会の提供、未改善状況、法的契約終止理由
正当な理由の無い解雇ではない旨の説明
・企業側の関連資料、証拠=勤務評価表・警告書・会議記録等々
企業側が労働局に提出・説明したように、労働者側からも解雇申告に対する反論書が提出されます。
経営者側が提出した内容の反論になります。
これらを比較検討し、解雇が正当であるかどうかと第3者から考察される要素は、
・合法な企業経営
・合法な労務環境整備
・合法な人材管理
になります。
つまり、まっとうな企業経営をしているかの確認になります。
逆に言えば、まっとうでないから問題が起こっているとも言えます。
当たり前のことですね。
労務問題の出発点は、企業の法的整備不足による労務管理と人材管理だといえるでしょう。
人材に寄り添いすぎが台湾の労働基準法だと言われる方もいらっしゃいますがそれは間違いだと気が付くかと思います。
ここまで問題がこじれてしまうと双方共に引きませんし、結果的に双方にとって良いことはありません。
弁護士などが介入した場合、時間はかかる、費用がかかると重たい時間を過ごすことになります。
ここまで記載したことが最悪の状態です。
企業としては、こうなる前の労務問題を引き起こさない社内人事ナレッジマネジメントを確立することが、労資双方にとって健全であるのです。
2 解雇が認められる正当な理由 労働基準法 |
解雇が認められる内容は、労働基準法11条・12条に記載されています。
台湾における経営者・責任者は、解雇ができる場合の事由をしっかりと理解しましょう。

労働基準法 第11条:予告して手続きを踏めば労働契約を終了できる場合 |
1・廃業した、または譲渡する
2・損失が出た、または業務を縮小する
3・不可抗力により1ヶ月以上労働業務を停止する
4・業務性質の変更により労働者を減らす必要がある、且つ適切な労働を手配できない
5・労働者が担当している労働が確実に任務に耐えられない
2026年注記: 客観的な「最後手段性の原則(他に配置換えなどができないこと)」の証明がより厳格に求められています。
労働基準法 第12条:予告なしに契約を終了できる場合 |
1・労働契約時に虚偽の意思表示をし、雇用主を誤解させ損害を与える恐れがある
2・雇用主、その家族、その代理人、その共同作業をしている労働者に暴行を働くか、
重大な侮辱を行った
3・有期懲役以上の刑の宣告が確定し、執行猶予が言い渡されない、有期刑を罰金刑に
変更することが許可されない
4・労働契約、就業規則に違反し、その状況が深刻
5・故意に機器、工具、製品または他の雇用主所有の物品を損耗させる、もしくは故意に
雇用主の技術上、営業上の秘密を洩らし雇用主に損害を与えた
6・正当な理由の無い無断欠勤が3日続くか、1ヶ月以内の無断欠勤が6日に達した
重要ポイント:3以外、雇用主が契約を終了させたい場合は、その状況を知った日から30日以内に処分を行わなければなりません。
3 労働局から不当解雇とみなされる場合とはどういう場合か |
労働基準法、労働契約法、性別平等工作法、就業服務法(外国人労働者関連法)に基づき
台湾は解雇規制が決められています。
2026年現在の重要実務フロー |
解雇・退職勧奨を進める際、以下のステップを一つでも誤ると、致命的なリスクになります。
客観的証拠の蓄積(PIP:改善計画):「能力不足」での解雇には、事前の指導記録や警告文の交付が必須です。
資遣費(解雇手当)の正確な計算: 新制(勤続1年につき0.5ヶ月分)の計算を、最新の平均賃金に基づき算出します。
労働局への「解雇通報」:解雇の10日前(例外あり)に当局へ通知する義務を遵守します。
「合意退職(退職同意書)」の推奨: 紛争を避けるため、法的な妥当性を踏まえた「パッケージ(解決金)」を提示し、円満な合意を目指します。
不当解雇と認定された場合、企業にとって重大なリスクが発生します。
1・行政処分
労働局からの是正命令や勧告がきます。
労働基準法75条~82条法律違反の規定に基づき行政罰が与えられます。
2・民事責任
損害賠償請求や、退職金、未払い賃金の請求。
裁判で負けた場合他の責任を課せられるリスクがあります。
3・復職命令
不当解雇申し立てが受理された場合の労働調停や訴訟リスク。
復職命令が出されれば、その後の会社内部への様々な影響の発生リスクが考えられま
す。
4・労働局ブラックリスト入りリスク
労働局が罰金を確定した場合、ブラック企業リストに入ってしまいます。
人材採用に影響が出たり、企業の風評悪化リスクがでます。
不法解雇を行わない為にも、企業内労務管理ナレッジマネジメントをしっかりと確立しましょう。
4 重要解雇リスクを起こさないための具体的な社内対策、及び起きてしまった際の過程説明 |
もしもの時に備えての事前準備が必要です。
ここでは、リスクヘッジと発生に備える準備過程を具体的に明記します。
解雇リスク防止対策、及び解雇問題が起こった際の準備過程の説明 |
1・問題の根源である人材採用時の面接項目、人材見極め方法を確立する
労務問題は全て人から引き起こされます。
採用側の備えが十分か、しっかりと人事採用ナレッジメントの作成に取り組んでくだ
さい。
特に入社契約証は全ての入り口です。
2・解雇事由の明文化
就業規則と労働契約書は合法にできていなければなりません。
この中に解雇事由を法に則った内容でしっかりと具体的に明文化してください。
3・業務・人事記録保存
業務態度、業務評価での記録は解雇事由の際に必要な書類になります。。
面談記録、改善通達記録、教育指導記録、再面談記録、評価記録、警告記録など
解雇を行うためには多くの過程を踏み、記録を保存しなければなりません。
企業側としては、自分たちが正しいとの考えで上記の作業をすべて行うことが
ありますが、
その内容は台湾の労働に関する法律に沿っているかどうかが重要になります。
自分たちが台湾の法律を知らず、日本的な考えで行っていたとしたら解雇行為が
違法になってしまうことも多々あります。
4・解雇を行うときの段階的なプロセス説明 |
これはデリケートな問題ですので、基本初期段階で専門家に相談するのが良いでしょ
う。
ここで記載している内容はあくまでも参考ですので、労働法上で何が必要かを
アドバイザーとしっかりと協議し落ち度が無いように動くことが望まれます。
第1段階 問題の明確化と証拠収集
ここでは、問題の明確化と今後の証拠になる資料の準備を行います。
行った言わないの争いを避けるためにも書面で残すことが基本です。
・状況確認
・記録開始
・初回口頭指導
第2段階 注意 指導
ここでは労働者に対する改善機会の提供とそれらの実態証拠の作成・保管を
行います。
正当性を立証するためにも改善機会は複数回行うことが望まれます。
・書面にて注意
・個別面談
・業務改善契約書
第3段階 改善がない場合の警告・最終通告
ここでは解雇の正当性通告と労働者への最終機会の提供の場になります。
・警告文章の提出
・再評価
・最終通知勧告
第4段階 解雇通知
ここでは労働者へ解雇通知を渡し法に則った形式での解雇を行います。
・解雇通知書の提出
・解雇予告期間と30日分の給与の支払い
・労働保険、健康保険、退職金引当金の退出届の提出
・退職金支給記録の提出
第5段階 労働争議、訴訟リスクへの対応
ここでは労働局対応、訴訟対応等のリスク管理を含みます。
・開始から現在までの全ての記録、業務記録などの準備
・合法である解雇正当性の説明文章の準備
・労務に関する社内ナレッジメントの構築
・合法な社内体制保持のための全ての書類、規則の整備
・労資会議の適切な開催
・労資円満化への社内コミュニケーション強化
これらの流れを参考にして、専門家と解雇時に起こる様々なリスクに備えて
ください。
5・解雇手当や退職金を必ず支払う
お金の支払いはトラブルの大元です。
解雇予告手当、退職金はしっかりと計算して則支払いを行いましょう。
5 日本企業でよくあるトラブルケース |
・いきなり即日解雇通告をする
・解雇事由が具体的でない
・指導、改善勧告記録、改善機会の提供を行っていない
・他の社員との比較だけを行い解雇通告を出す
・試用期間中にいきなり解雇通告をする
・予告期間の提示がない
・旧制度の退職金の計算が間違っている
・就業規則や契約書がなく、社長の一言で解雇する
・労働法11条を読み間違えた特定個人向けの対象解雇
・一番重要な労働契約書を結んでいない、またはダウンロードしたテンプレート任せ
・就業規則がない
・運営、経営を現地社員に任せっぱなしにしている
・問題が起こっていても放置し、ことが大きくなってから慌てて相談・・ことすでに遅し
日頃からの備えがあれば労務問題の発生は極力控えることができます。
6 まとめ |
解雇問題・それに関連する労務問題は非常にデリケートな問題です。
日本企業によくありがちな、責任者、管理者が数年でローテーションし、台湾の労働法の理解が少なく現地社員に管理を全て任せているなど、問題が発生する要素が積算されています。
経営者・管理者とは、企業の方針や策略を考え経営資源を活用して組織目標を達成する責任を負う者、及びその方針の遂行を管理する者を言います。
特に、総経理といわれる管理者は、業務の遂行、人材管理、労務管理、コミュニケーション管理、問題解決及びその指針提供を行うものでなくてはなりません。
経営を行う際に、人は何にも優先すべき重要な資源です。
人をうまく操作できる者がすべてに勝ります。
その人をうまく管理する道具が労務管理です。
労務を管理し、会社の経営資源を光らせる者が本当の勝者なのです。