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台湾のパート・アルバイトの労働保険

  

労保局の指摘  出典/《104職場力》編集部

労保局によると、一部の事業所では経営上の都合からアルバイトやパート労働者を雇用しているが、出勤日だけ労働保険に加入させ、その日のうちに脱退させるといった運用をしているケースがある。

これは規定に反しており、労保局は雇主に対し「労働者が毎日出勤しなくても、双方に継続的な雇用関係がある限り、就職当日に保険加入を申告し、退職日にのみ脱退を申告すべき」と注意を促している。

これを怠ると労働者の権利を侵害する可能性があり、違反補償の対象となる。


本文のポイント

「部分工時」(短時間勤務)の労働者も継続加入が必要。出勤日のみ加入・脱退は不可。

一部の業種では特殊な勤務形態のため「短時間勤務労働者」(パートやアルバイト)が必要とされる。しかし労保局の調査で、一部の雇主がシフト制の労働者について、出勤日にだけ加入させ勤務終了後に脱退させるという方法で保険料を節約しようとしている実態が明らかになった。

労保局は新しいプレスリリースで特に注意喚起しており、「短時間勤務労働者」であっても継続加入が必要であり、違反すれば法令に基づいて処罰されると強調している。


解説

短時間勤務の労働者も継続的に加入義務

事業所はフルタイム労働者だけでなく短時間勤務者も雇用するが、労動部は特に「シフト制やパート勤務」であっても、雇用関係が継続している限り、雇主は労働者の入職日に労働保険・雇用保険・労災保険を申告加入させ、離職日に脱退させる必要があると説明している。

つまり、雇主は在職期間全体を通じて継続的に加入させなければならず、出勤日のみに加入・脱退を繰り返すことは認められない。

台湾の中央社の報道によると、労保局の担当者は「実務上、飲食や宿泊業などでシフト労働者に対して出勤日のみ加入・脱退を行う違反が多い」と指摘している。


【ケース例】

阿芳さんは1月1日からホテルの客室係として雇用され、週4日勤務。毎日出勤ではないが、雇主が継続してシフトを割り当てているため雇用関係は継続している。この場合、雇主は阿芳さんの入職日(1月1日)に保険加入を申告し、退職日まで継続加入させなければならない。
しかしホテル側が保険料を節約するため、出勤日当日のみ加入・当日脱退を行うと、これは違法となる。


違反時の処罰

雇主が労働者を適切に加入させない場合、未加入期間について:

  • 《労働保険条例》及び《雇用保険法》に基づき、負担すべき保険料の4倍および10倍の罰金

  • 労働者が受けた損害は雇主が賠償

  • 《労災保険及び保護法》に基づき、2万〜10万元の罰金および違反事由の公表

雇主はシフト制や勤務日数契約を理由に加入を回避することはできず、断続的な加入は労働者の給付権益を損なうため禁止されている。


労働者向け注意喚起

労働者も自ら保険加入状況を確認する必要がある。以下の方法で確認可能:

  • 携帯電話認証で労保局e化服務システムにログインして照会

  • 郵政金融カードや労働保障カードを使ってATMで照会

  • 窓口での照会

労働者は常に自身の加入状況を把握し、権益を守ることが重要である。