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皆勤手当という「経営の隠れ負債」

〜なぜ、今すぐ「皆勤」という評価基準を捨てるべきなのか〜

多くの日系企業が慣習として導入している「皆勤手当」。

しかし、2026年の台湾労働法務において、皆勤手当は「もっともコスト対効果が悪く、法的リスクが高い報酬」の一つです。

「社員に休まず働いてほしい」という経営者の願いは理解できます。

しかし、その手法が「法律上の賃金計算を複雑にし、結果的に労使トラブルを招く」のであれば、それは見直すべき「経営の負債」です。

 

新規採用は不要。今いる社員の魂に火を灯すだけで、眠れる人財を『最強の収益エンジン』へ叩き起こす。

 
 

2026年度版:皆勤手当が招く「3つの法的落とし穴」

 

1. 残業代の基礎計算に含まれる「賃金」の扱い

台湾の労働基準法では、皆勤手当は「労働の対価」とみなされ、残業代(割増賃金)の計算基礎に含める必要があります。

  • リスク: 計算を忘れて基本給だけで残業代を払っていると、労働検査で「残業代未払い」と指摘され、遡及請求の対象となります。

 

 2. 特別休暇(特休)取得との矛盾

皆勤手当を「休まないこと」への報酬とすると、法律で保障されている「特別休暇」を取得した従業員が、間接的に不利益を被る(手当が減る)形になります。

  • リスク: 労働局からは「休暇取得の権利を阻害している」と見なされ、是正勧告を受けるリスクが極めて高いです。

 

3. 「皆勤」=「生産性」ではない

今の台湾市場において、優秀な人材は「休まず来ること」ではなく「目標を達成すること」を重視します。

皆勤手当は「休まないこと」を称賛する制度であり、本来評価すべき「成果(アウトプット)」の評価をぼかしてしまいます。

 

Bz*が実現する「次世代型報酬制度」への転換

私たちは、皆勤手当を廃止し、社員がワクワクして働くための「新しい報酬体系」を設計します。

  • 「成果連動型」インセンティブへの移行: 皆勤手当の予算を、個人の目標達成(KPI)やチームの業績貢献に対するボーナスへ再配分します。

  • 法的リスクゼロの給与テーブル策定: 残業代の計算基礎を明確化し、労働局の検査で「文句の出ない」透明性の高い給与テーブルを構築します。

  • 生産性を高める評価設計: 「休まない社員」を評価するのではなく、「短い時間で高い成果を出す社員」を称賛する人事評価制度を構築します。

 

提言

「制度を直すのは面倒だ」。

その一言が、数年後に数倍のコストとなって経営に跳ね返ってきます。

給与制度は「会社の哲学」を映す鏡です。

皆勤という過去の基準に縛られるか、それとも未来の成果を評価する制度に切り替えるか。

貴社の組織を一段上に引き上げるための、給与制度の「断捨離」を今、行いましょう。

まずは弊社の「給与制度コンプライアンス診断」を受けてみませんか

適法かつ、社員のモチベーションを最大化する報酬の形を一緒に設計します。

 

台湾の皆勤手当ての概念

 

「皆勤手当」とは何ですか?

一般的に「皆勤手当」とは、企業が社員に毎月の遅刻・早退・欠勤が一切ない場合に支給する奨励的な手当を指します。ただし名称は「手当」ですが、労働部(台湾)の通達によれば、勤務状況に直接連動し「働いたことによる報酬」と評価されるため、法律上は賃金の一部とされています。

【参考資料】(87)台労動二字第040204号函
要旨:皆勤手当が賃金に該当するかについて
全文:労働基準法第2条第3項の「賃金」とは、労働者が労働により得る報酬をいう。よって皆勤手当が出勤状況に基づき支給され、労働により得た報酬の性質を有する場合、賃金に該当する。平均賃金の計算につき同条第4項に明文あり。

 

皆勤手当の性質と法律上の扱い

  1. 皆勤手当は賃金の一部と見なされるため、平均賃金・残業代・退職金などの算出基礎に含める必要があります。

  2. 労働基準法には皆勤手当の支給義務はないため、支給するかどうかは労働契約や就業規則の定めによります。

  3. 契約や就業規則で「条件を満たした場合は支給する」と定めている場合、会社は任意に変更・削減できません。

 

皆勤手当」を控除してはいけない休暇

《労工請假規則》(労働者請暇規則)第9条によると、以下の休暇では皆勤手当を減額してはなりません:

  • 結婚休暇

  • 忌引休暇

  • 公傷病休暇

  • 公休(公務関連の休暇)

  • 妊娠3ヶ月未満で流産し、普通傷病休暇を取得した場合

また、規則には載っていないものの、行政上「控除不可」と扱われる休暇・状況には以下も含まれます:

  • いわゆる「台風休」「防疫休」「ワクチン休」「生理休」「求職休」「家庭看護休」

  • 通勤事故や公共交通機関の遅延など、本人に責任がない遅刻(証明が必要)

つまり、現行規定では、病休・事休(病欠・私用休暇)は皆勤手当を控除してよいとされています。

ただし労働部長は「病欠で皆勤手当を没収するのは合理的ではない」と発言しており、今後制度改正が検討されています。

 

皆勤手当がよく見られる業界

皆勤手当は「恩恵的給付(インセンティブ)」としての性質が強く、特に以下のような出勤安定性が重要な業界で多く導入されています:

  • 製造業

  • 倉庫・物流業

  • 小売業

  • コールセンター業務

  • 飲食業

  • ホテル・旅館業

理由としては、人員不足や欠勤が業務運営に直接影響しやすいため、安定的な出勤を促す必要があるためです。

 

皆勤手当の一般的な支給額と計算方法

企業ごとに大きく異なりますが、台湾の一般的な支給額は 500〜3,000元程度です。

計算方法には以下があります:

  • 固定額支給(例:毎月1000元)

  • 時給に上乗せ(例:時給+20元相当)

  • 基礎給与割合に連動(比較的少数)

 

企業が皆勤手当を扱う際の注意点

  1. 基本給に含めてはいけない
    約束した基本給に加えて支給すべきであり、「基本給に含めて調整する」ことは違法です。

  2. 法定休暇を理由に控除してはならない
     生理休暇、産休等を理由に皆勤手当を減らすことは禁止されています。

  3. 今後の制度変更に注意
     「病休で皆勤手当がなくなる」制度は見直しが検討されているため、人事は最新情報に注意する必要があります。