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台湾2026年病気休暇新制度│病假新制と普通傷病假的権利・企業対応ガイド

 

2026年 病気休暇新制度の紹介

 
2026年3月1日 労働局からメールにて紹介のあった新制度の紹介文を日本語にて発信します。

明理法律事務所 李瑞敏弁護士


一、背景

2025年10月、ある国籍航空会社の客室乗務員が体調不良のまま勤務を続け、台湾帰国後に病気により死亡するという事案が発生しました。

この件は社会的に大きな関心を集め、労働部は現行の病気休暇制度について検討・見直しを行い、「労工請假規則(労働者休暇規則)」の関連規定を改正しました。

これにより、2026年病気休暇新制度が制定されました


 

二、2026年病気休暇新制度の重点

労働部は労働者の健康権を保障し、体調不良で休養・治療が必要な場合に、社内規定による不利益取扱いを恐れて病気休暇を申請できず、無理をして出勤する状況を防止するため、休暇規則を改正しました。

本制度は以下の4つの側面から労働者の病気休暇の権利を保障するものであり、2026年1月1日より施行されます。

(一)年間10日以内の普通傷病休暇に対する不利益処分の禁止

労働者が1年間に取得した普通傷病休暇が10日以内の場合、使用者はそれを理由として不利益な処分をしてはなりません。

(二)立証責任の転換

 労働者が病気休暇取得を理由に不利益処分を受けたと主張した場合、当該処分が病気休暇とは無関係であることの立証責任は使用者にあります。

(三)人事評価の総合判断義務

病気休暇が10日を超えた場合であっても、人事評価は労働者の職務能力、勤務態度、実際の業績等を総合的に考慮すべきであり、単に病気休暇日数のみを評価基準としてはなりません。

(四)皆勤手当の比例控除

 普通傷病休暇を取得した場合、皆勤手当の控除は取得日数に応じた比例計算によるものとし、全額不支給としてはなりません(労使間で法令より有利な合意がある場合はその合意に従う)。

*付記: ここで上記の文章が分からないと思いますので具体的な計算方法を記します。
 

1. 基本ルール

  • 皆勤手当=毎月固定で支給される給与の一部として扱われる

    • そのため「工資(給与)」に含まれます。

  • 普通傷病休暇の取得日数に応じて比例控除

    • 例:月の勤務日数 20日、皆勤手当 2,000元、普通傷病休暇 2日取得 → 控除額は <code data-start="246" data-end="271">(2 / 20) × 2,000 = 200元</code>

  • 全額不支給は禁止

    • 取得日数に応じた按比例控除が原則で、病欠を理由に全額不支給にすることはできません。

*弊社の意見

日本国内での『広辞苑』等の国語辞典での定義に即した形での解説では、

皆勤手当(かいきんてあて)の意味

勤務先において、欠勤・遅刻・早退がなく全て出勤した労働者に対して支給される手当。
通常の賃金とは別に定額で支給される場合が多く、勤務状況の良好さを評価するための報奨的性質を持つ給与項目。

とあります。

台湾の労働法の定義は刻々と変化しています。海外では日本の常識は通用しませんそして下記の注意点もしっかりと呼んでください。

2. 注意点

  1. 法定勤務日数の定義

    • 所属企業の「月間予定勤務日数」を基準に按比例計算します。

    • 週休2日の会社では、土日休み分は勤務日数に含めません

  2. 労使協議による優遇制度

    • 労資契約や就業規則で、病欠による控除をさらに軽減する規定がある場合は、それに従います。

  3. 普通傷病休暇の種類

    • 生理休暇、育児休暇などは含めません。

    • 「普通傷病休暇」のみが比例控除の対象です。


 

 三、病気休暇を理由に皆勤手当を全額不支給としてはならない

皆勤手当は性質上「賃金」に該当します。

労働部および司法実務においても、皆勤手当は労働の対価として継続的に支給されるものであり、賃金の範囲に含まれると解されています。

そのため、普通傷病休暇を取得した場合でも、皆勤手当を全額不支給とすることはできず、取得日数に応じた比例計算による控除のみが認められます。

なお、以下の場合は皆勤手当に影響を与えてはなりません。

  • 結婚休暇、忌引休暇、公傷病休暇、公務休暇

  • 妊娠3か月未満の流産により産前休暇を取得せず普通傷病休暇を取得した場合

  • 家族介護のための事由による休暇


 

 四、年間10日以内の病気休暇は不利益処分禁止

年間10日以内の普通傷病休暇については、解雇、降格、減給、昇進機会の剥奪、福利厚生の取消し、評価の低下等の不利益処分をしてはなりません。

年間10日を超える場合でも、評価は能力・態度・実績を総合的に判断すべきであり、病気休暇日数のみで判断することは禁止されています。

なお、この10日は「普通傷病休暇」の日数のみを指し、生理休暇や安胎休養休暇などは含まれません。


 

 五、まとめ

2026年には本病気休暇新制度のほか、以下の労働制度改正も実施されます。

  • 最低賃金の引上げ(2026年より月額29,500元、時給196元)

  • 育児休業の柔軟化(30日分を日単位で取得可能)

  • 家庭介護休暇・家族看護のための事由による事假を時間単位で取得可能(皆勤手当の控除禁止)

これらの制度改正は企業の内部制度および管理体制に影響を与えるため、就業規則の改正が必要となります。使用者は法令変更に応じて速やかに規則を改正し、主管機関へ届け出る必要があります。

また、新制度施行後、使用者は労働者に対し病気休暇の証明書提出を求めることができますが、休暇手続きや必要書類については就業規則や労働契約に明確に定めておくことが、紛争防止の観点から重要です。

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こちらのページ、左側の各タイトルをご覧ください。2026年に法改正した項目を各項目ごとに記載しています。必ず参考にしてください。