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台湾の建設業における労働安全管理の重点とは

 
2016年3月15日に労働局より公開された文章です。
ご参考ください。

 

システム面・管理面・実行面からみた国内建設業における安全管理の課題と突破

明志科技大学 環境安全衛生学科 副教授 鄭慶武

下記、図6に示すように、建設業の安全管理の観点から、外部の制約と内部規範のもとで、人・機械・材料・方法・環境(5M)の管理をどのように適用するかについて、PDCAサイクルの枠組みの中で部門および企業の運営を行い、『人を本位とし、安全を根幹とし、コストを管理し、文化の持続可能性を実現する』という目標を達成するものである。

以下では、請負管理の重点および労働安全衛生管理の推進施策、ならびにテクノロジーの応用について、それぞれの管理上の要点を説明する。

 


図6 国内建設業における労働安全管理の重点


 

 1. 管理規則

第丁類の危害審査においては、発注者の責任(連帯責任)を組み込み、英国の建設・設計管理規則(CDM 2015)の適用対象および責任を参考にし、リスク評価および管理制度に組み入れる。

(1) 発注者は、プロジェクトに必要な十分な予算と工期を確保し、設計者および請負業者間の調整を行い、安全管理計画を共同で策定しなければならない。

(2) 設計機関は、自らの設計内容についてリスク評価を実施し、その結果を説明・伝達・報告する必要がある。

(3) 元請業者は、適切な施工計画および安全な作業環境を整備し、教育訓練や健康管理等を実施しなければならない。

(4) 下請業者は、自らの専門工種に基づき合理性と安全性を検討し、安全基準に適合した施工機械・材料および作業者用の安全防護具を使用する必要がある。

(5) 労働者は、請負契約に定められた安全規範および手順を遵守し、危険な行為を行ってはならず、作業中は自身および共同作業者の安全確保を徹底しなければならない。


 

 2. 労働安全管理の推進施策と技術活用

(1) 電子化された文書管理システムを導入し、不必要な重複作業による人員負担を軽減する。

(2) 請負管理の重点は、協力会社や下請業者の管理能力にあり、調達・発注段階で適切な企業を選定することが、その後の工期管理、施工品質、労働安全管理の推進・実行に大きく影響する。これには合理的な工期設定や(安全費用を含む)予算編成が含まれる。

(3) 現場の安全活動サイクルに基づき、作業前教育、当日の作業リスクの周知、現場巡視・点検を実施し、不備を記録する。終業時の会議でそれらを議論し、改善策およびフォローアップ事項を策定する。

毎月、現場責任者が会議を開催し、現在および今後参入する専門施工業者の代表、発注者、設計・監理者、担当技術者、安全担当者などが参加し、不備の状況や改善内容を報告するとともに、今後の施工計画や重点事項について説明・協議を行う。

記録内容は実際の作業内容に即したものでなければならず、形式的な報告にとどまってはならない。

(4) 高リスク作業(鉄骨の吊り上げ・組立、タワークレーンの昇降、足場の組立、エレベーターシャフト、閉鎖空間作業など)については、移動式カメラや放送システムを活用して作業状況を監視する。

(5) 「点・線・面」の管理手法を採用し、個別点検(点)の記録を現場巡視・設備点検(線)へと連携させ、さらに広範囲の現場では責任区分管理により全体(面)を網羅する。また、点検結果の不備については「赤札・黄札」により表示し、不備内容やリスクレベルを明示する。

(6) 安全管理を総合的に強化するため、「電力マップ」や「リスクマップ」の整備、電線の絶縁・高架設置、電気スイッチや資材投入箇所、開口部付近などへの音声警告やブザーの設置を行う。さらに、BIM、VR、IoT、AI、CCTV、ドローン、電子フェンス、スマートヘルメットなどの技術を活用し、安全監視と防護を強化する。

(7) 請負管理および協議会を通じて、不備の改善期限や統計記録、各工種ごとの安全評価基準を設定する。現場点検結果をLINEグループ等で共有し、改善・報告期限を設定してフォローアップを行い、高リスク要因の防止を徹底する。

(8) 現場巡視・点検システム(アプリ)を構築し、不備データの統計分析を行うことで、会議での追跡や是正・予防措置の推進に活用する。また、人為的ミスおよび設備不備の発生率について警戒値および対応基準を設定し、「設備改善」と「人的管理」の両面から適切な介入を行う。

 

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