
【2026年8月1日施行】台湾・労働者退職金制度の大改正〜従業員の「自主積立(最大6%)」拒否が違法化!人事・給与システムの見直しが急務〜労働者退職金制度(新制度)の導入から20年を迎え、2026年(民国115年)8月1日より、労働部が改定した「労働者退職金条例施行細則」が正式に施行されます。 今回の改正における最大のインパクトは、「従業員から退職金の自主積立(自提)の申し出があった場合、企業はこれを拒否できない」ことが明確に義務化・罰則化された点です。 手続の煩雑さを理由に拒否していた企業は、高額な罰金(延滞金)のリスクを負うことになります。 |
自主積立退職金とは?
労働者退職金条例第7条、第14条、第16条および施行細則第21条の2に基づき、新退職金制度の対象者は、雇用主が積み立てる法定6%とは別に、給与の6%以内で自主的に退職金を積み立てることができます。
さらに、
旧退職金制度を継続選択している労働者についても、2026年7月17日から自主積立が可能になります。
学生アルバイト、新入社員、ベテラン社員を問わず、できるだけ早く積み立てを開始することで、
将来受け取れる退職金が増えるため、早めの準備が推奨されています。
1. 2026年8月改正の「4大ポイント」 |
自主積立の拒否禁止と罰則の強化(最重要) 従業員が希望する自主積立(給与の6%以内)の申請および徴収を拒否することが禁止されます。
月額年金から一時金への変更(クーリングオフ導入) 退職金を「月額年金」で受給する選択をした後でも、30日間の熟慮期間内であれば1回に限り「一時金受給」へ変更が可能となります。
未成年遺族の請求時効の保護 未成年の遺族による退職金請求権の消滅時効は、「成年に達した時点」から起算されるよう改善されます。
対象者の大幅拡大 旧退職金制度(旧制)の選択者や、実際に業務を行う事業主本人、個人事業主、業務委託契約者、労基法適用外の労働者も、給与・事業所得の6%以内で自主積立が可能となります。
2. 従業員の「自主積立」に関する企業義務と注意点 |
企業が日常の人事・給与実務で徹底すべきルールは以下の通りです。
意思表示と届出のプロセス
従業員は「口頭」または「書面」で自主積立の意思を会社に伝えます。
会社はこれを受理し、労働部労働保険局へ届出を行った上で、毎月の給与から控除して納付しなければなりません。(※従業員個人が直接届出を行うことは原則不可)
万が一、会社が対応を拒否した場合、従業員は労働保険局へ直接申請(「在職労働者及び受任業務従事者自主積立退職金申請書」を提出)でき、行政から会社へ強制的な納付命令が下されます。
⚠️ 違反時の「重い延滞金罰則」
会社が申請や積立金の徴収を拒否・遅延した場合、未納額に対して1日ごとに3%の延滞金が加算されます。この延滞金は、最大で本来納付すべき金額と同額(100%)まで科されるため注意が必要です。
3. 人事・給与実務における「4つの対応チェックリスト」 |
2026年8月1日の施行に向け、以下の社内インフラ・運用の見直しを行ってください。
年末証明書の発行準備: 自主積立額は全額が課税所得から控除(節税効果)されるため、年末に積立額の領収証(証明書)を交付できる体制を整える。
4. よくある質問(Q&A) |
Q. 学生アルバイトや試用期間中の社員から申し出があった場合も拒否できませんか?
A. 拒否できません。
雇用形態(アルバイト、新入社員、ベテラン社員)を問わず、新制度対象者であればすべての労働者に自主積立の権利があります。
Q. 積立率は途中で変更したり止めたりできますか?
A. 可能です。
積立率は1年間に最大2回まで変更可能です。また、いつでも停止・再開することができ、手続きは会社を経由して行います。
BzCONSULTANTからの提言 |
「たかが手続き」と軽視することが、企業の命取りになります。
今回の改正は、現場の「面倒だから」という慣習を直接狙い撃ちにした法改正です。
未対応のまま放置し、従業員から労働保険局へ直接通告された場合、即座に監理対象となり、他の労務違反(残業代や勤怠管理など)へ連鎖するリスクが高まります。
弊社では、2026年の最新法改正に対応した就業規則の改定、給与明細フローの監査、労資会議議事録の整備をトータルでサポートしております。
「自社の給与・退職金システムが適法か不安だ」という企業様は、ぜひお早めにご相談ください。